Q.派遣料金でカルテルを結んだ疑いがあるとして、人材派遣大手5社に公正取引委員会が立ち入り検査をした報道があった。御社の派遣料金の決め方や法令遵守、ガバナンスの体制は大丈夫か。
A.当社の派遣料金の決め方につきましては、まず、お見積書を作り、お客様に料金提示をいたします。お客様のほうでエンジニア一人一人のスキル評価を行い、その価格が適正であるかどうかの判断をされ、後に当社とお客様で価格の交渉をし、最終的に価格決定が行われます。そのような形で派遣料金は決定されるプロセスになっています。ガバナンスについての体制も、問題はございません。
Q.NISAで買い増しを継続しているが、業績の割には株価が低迷している。株価浮揚策の方向性について。
A.業績は順調に推移しているが、なかなか株価に反映されてこないのが現状です。まず、足元の業績を引き続き上げていくことに加えて、さらに積極的に外部にIR活動を展開し、当社の知名度を高め、当社への期待を高めていく必要があります。
Q.AIの普及と人材派遣業の今後について。また、AIの知識がある人財も確保しているのか。
A.今後AIの普及・発達・進化によって、人材派遣業の技術領域の中で一部AIに置き換わる領域は発生してくると思います。そのことにより、エンジニアの減少が予想されます。当社では、中期経営計画でも基本施策の1つに掲げております通り、AIに影響を受けにくい超ハイエンド領域のエンジニアの配属比率を高めていく対策を打っております。また、AIに置き換えられる領域のエンジニアについて、リスキリング等を積極的に実行し、より上流工程の業務へローテーションをしていく対策を打ってまいります。AIの基礎から応用までの研修を実施し、AIツールを活用できる人財の育成を進めてまいります。そのための体制整備にも取り組んでまいります。
Q.今後の自動車関連や半導体関連での技術者派遣への展望について。
A.引き続き自動車関連や半導体、特に製造装置関連について、エンジニアのニーズは旺盛だと見込んでおります。しかし、自動車関連の中でも、今後、完成メーカー様が強化される領域に関しては、例えば自動運転、ハイブリッド、電池などを含めて、濃淡あると思いますが、引き続きエンジニアのニーズは旺盛だと見込んでおります。
Q.今期、技術者単価が上昇しているが、来期も今期のペースで上昇していくのか。
A.技術者単価につきましては、1年間のエンジニアのスキルアップを単価に反映していく考え方ですので、エンジニアの成長を促し、お客様に評価をご依頼していきます。それが、結果的に単価アップにつながっていくと考えています。来期も、今期のペースで上昇するよう、足元の取り組みを実施していきます。
Q.熊本・北海道に半導体工場の稼働が始まっているが、御社の業績にポジティブな影響が期待できるか。
A.当社の事業内容は技術者派遣事業、その中でも特に開発や設計に関わる技術者派遣を展開しております。従いまして、熊本や北海道に半導体の製造工場ができただけでは、当社の事業にポジティブな影響が出るとは限りません。そこに開発拠点が併設され、初めて当社のフィールドである開発・設計のエンジニアのニーズが発生すると予想されます。現時点におきましては、まだ熊本・北海道の半導体企業からの開発要請は発生していない状況です。今後、製造工場に開発拠点が併設されれば、結果として、熊本や北海道に拠点を持つメーカーからのエンジニアの要請が発生すると考えています。
Q.エンジニア不足により、人財の獲得競争が厳しくなる。優秀な人財をどのように確保するのか。
A.エンジニアの人財の獲得競争は、毎年、厳しくなっています。その中での当社の取り組みとしましては、新卒採用とキャリア採用の二軸での採用を展開しております。エンジニアを目指す方に対して、魅力ある様々なメニューを用意し、提供できるか。これが人財を獲得していくポイントだと考えております。例えば、エンジニアがやりがいのある様々なプロジェクト・仕事を用意すること、エンジニアの成長を後押しする教育訓練体制のメニューを用意すること、また、エンジニアが満足できる給料・待遇や福利厚生を準備することなど、総合力を持って人財の確保に努めていきたいと考えております。
Q.中東情勢による御社への影響が非常に不透明かと思うが、どのような予測のもとに計画を立てているのか。
A.当社の業績への影響は、現在、なかなか予測できない状況になっております。結果的に、お客様の業績へどのように影響をもたらすかが、ポイントになってくると思います。現時点では明確な予測は立てられない状況でありますが、引き続き、お客様の状況変化をいち早くキャッチし、それに向けた対策を今後立てていきたいと考えています。
Q.人材派遣会社として、今後の労働人口減少にどう対応していくのか。
A.人材派遣会社としての労働人口減少、つまり人財確保が今後も継続的な課題になると考えております。まず、足元の対策としましては、中期経営計画の基本施策3つのうちの2つ目に多種多様な人財活用の推進を掲げています。これは請負・受託の事業比率を高め、多くのプロジェクトを獲得し、そのプロジェクトにおいて当社の社員だけでなく、協力会社と外部人財の積極的な活用を行い、稼働人員数を増加させていく施策であります。
また、今後、AIの進化・発展により、現在、人で行っている業務の一部がAIに置き換わっていく可能性は極めて高いです。従いまして、AIを活用できる人財を、当社の中で教育あるいは採用し、増やしていく。そのことにより収益性を高めていく今後の展開も予想されます。そちらへの対応も、当社としては検討してまいります。
Q.御社の収益性の高さはどこから来ているか。
A.当社は高い営業利益率を継続しております。その源泉は、ハイエンド領域への人員の高い配属率にございます。研究開発領域並びに製品開発領域で約80%のエンジニアが業務を行っております。お客様から高い技術者単価をいただくことが、結果的に収益性の高さを維持することになります。引き続き、中期経営計画でもさらに高いハイエンド領域を目指していくことを基本施策に掲げておりますので、これからも継続的に高い収益性を目指して事業を展開していきたいと考えております。
Q.物価高に負けない、賃上げのような、従業員への還元を強化する意向はあるか。
A.当社の賃上げの考え方につきましてご紹介をさせていただきます。当社は、アルトナー労働組合がございます。従いまして、毎年、労使交渉において、翌年の賃上げ率を決定させていただいております。決定の方法につきましては、前年の技術者単価から今年はどれぐらい単価が上昇したか、それの何割かを従業員への賃上げに反映していく基本的な考え方を持っています。そのような方法で、従業員への還元を実施しております。
Q.円安・物価高騰の影響度合いについて。
A.現在は、円安や物価高騰の影響について、顕在化しておりません。しかしながら、今後、お客様の業績への影響が考えられますので、引き続き、情報を素早く収集し、顕在化した場合に備えて準備を進めていきたいと考えております。
Q.M&Aや提携を含む今後の戦略について。成長に向けて、どの分野を重点的に強化していく方針か。
A.昨年、2社のグループ化並びに2社との提携を結びました。グループ化した2社につきましては、当社のストロングポイントをさらにストロングにしていく相手、当社のウィークポイントを補完いただける相手です。このような戦略を今後もM&Aの対象企業に求めていきたいと考えております。また、今後の成長に向けての分野につきましては、今後AIがさらなる発展を遂げていくと想定できますので、AI関連に強いエンジニア集団との提携やグループ化、それらの方向を目指していきたいと考えております。
Q.本田技研工業様はEV開発の方針を大きく転換したが、御社の技術者派遣に影響は。
A.確かに本田技研工業様は、EV開発の方針転換を決定されました。一部、当社のエンジニアもEV開発関連のプロジェクトに参画をしておりました。しかしながら、EV開発以外の、例えばハイブリッドや自動運転、その他様々なプロジェクトが多くございますので、そのような領域へのローテーションで、今回、EV開発関連のプロジェクトに従事したメンバーは対応いたしました。従いまして、当社はそのような対応ができる体制がありますので、当社の技術者派遣への影響は軽微でございました。
Q.御社は自動車業界の取引が多いが、他の業界との取引を拡大していく予定はあるか。
A.現在におきましても、様々な業種のお取引先がございます。しかし、その中で、自動車関連の輸送用機器が43.4%と突出して高く、次に電気機器や精密機器に属します半導体製造装置メーカーも自動車関連に続いて高いウエイトを占めております。従いまして、引き続き業種間のコントロールを行いながら、業種のポートフォリオのバランスを中長期的にはとっていきたいと考えております。
Q.株主還元を配当性向50%以上と定めているが、近年の増配で配当性向はそれを大きく超えているのが気にかかる。技術者派遣は、設備投資等はそれほど必要がないのか。内部留保があまりないのも心配。
A.当社の配当の基本的考え方は、配当性向50%をベースに前年割れをしない配当を実現することです。配当の原資となるのは、主に当期純利益であり、そこから配当を行うことが王道だと考えています。従いまして、今後EPS(1株当たりの純利益)が年々増額されていき、徐々に配当性向が50%に近づいていき、しかしながら、前年割れのない配当を実現していくことになるかと思います。
技術者派遣の場合の主な設備投資は、エンジニアの教育訓練のための様々なツールを揃えていくことや更新していくことが主たる内容になっております。また、内部留保等につきましては、今後も積極的なM&Aによる企業のグループ化の展開も行ってまいりますので、内部留保も少ないより多い方がいいと考えています。
Q.同業他社と比較した際、御社が特に強みを発揮できる領域はどこか。
A.当社は、研究開発領域、製品開発領域にボリュームゾーンがあります。ここが当社の強みであると認識をしております。
Q.3月に自己株式の取得を実施したが、再度実施する予定はあるか。
A.当社は配当に加え、自社株買いや株式分割等について、常に検討を継続しております。したがって、その必要性・時期・タイミングが合えば、当然実行されることもあるかと思います。
以上